Before (改善前)

凸形状の製品は、凹形状や孔形状の部品と嵌め合うために使用されることが多くあります。嵌め合いをする際に重要なポイントは、角のRを相手部品と合わせることです。例えば、上図は相手部品とうまく嵌め合うことを想定して角のRをR0.1以下に加工する製品です。しかし、角がR0.1以下の場合、何回もドレス加工やプロファイル研削盤を用いて仕上げを行う必要があり加工時間が伸びてしまいます。またそれらを行うための砥石の成形も必要なため加工コストが大幅に上がってしまいがちです。

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After (改善後)

このような凸形状の製品の加工では、形状を少し変えることでコストを抑えることができます。例えば、仕様上問題が無ければ角のRをR0.2のように大きくし、嵌めあい部品も干渉しないようにC0.2以上で面取りを行えばうまく嵌め合わせることができます。他にも仕様上問題が無ければ、角に逃げを持たせることでうまく嵌め合わせることができます。これにより、仕上げのドレス加工やプロファイル研削盤での加工時間を短くすることができるので、コストを抑えた加工が可能になります。

POINT(要約)

加工精度が厳しい部品やRやCの値が0に近い製品の加工は、仕上げ加工などに時間がかかるためコストが上がる傾向にあります。特に凸部のR値が0に近いと加工の時間がかかるため、逃がしを入れるか凸部のR部分を逃がすのではなくRを大きくし、凹部のC面もR部に干渉しないように大きくすることでコストを抑えることができます。