細穴加工とは
細穴加工とは0.2mm~0.3mmの穴を開ける加工方法で、医療・医薬、光学・電子などのミクロン台の加工精度が要求される最先端技術業界での需要が高いです。細穴加工は数百から数千の穴を安定的に加工することが求められておりますので、高精度な加工ができる微細加工機と共に回転速度・温度などの加工条件に加え、基準穴と加工面を同一にするなど設計段階からの品質の作りこみが必要です。「超硬加工.COM」では、微細穴加工の中でもアスペクト比:10.0の微細深穴加工や、最多連続14,000穴の細穴放電加工などにも対応しています。
材質別 細穴加工スペックについて
①アルミの細穴加工
アルミニウムは比較的軽くて強度のある材質であることから、幅広い業界で使用されています。加工においても快削材と言われるほど切削加工に非常に適した材料で細穴加工にも適しています。ただ柔らかい金属でもあるために穴が変形したり、割れたりしないようにすることが必要です。そのためにはドリルの振れを1μm以内に抑えることが極めて重要です。加工回転数と送り量が適正でなければ、ドリルの折損にも繋がります。そこで当社では保有する碌々産業製の超高速微細加工機「アンドロイドⅡ type-s」で細穴加工をしております。このアンドロイドⅡtype-sは新型特殊静圧スピンドルを装備しているので、±1μmの公差での細穴加工を行うことが可能です。またドリルの振れ及び加工条件を極限まで突き詰めることで、例えばアルミに対するφ0.03mmの細穴加工であれば、1本のドリルで500穴もの連続細穴加工に対応することが可能です。
当社のアルミの細穴加工実績は、φ0.02mmの穴径で深さ0.2mmまで加工しました。
>>公差±1μm以下の高精度微細マシニング加工についてはこちら
②ステンレスの細穴加工
ステンレスは汎用性の高い材質であり、耐食性の求められる医療・医薬、食品業界で使用されています。ステンレスは鉄やアルミに比較して、粘り強い素材であるために加工難度が高くなります。加工時にはアルミと同様にドリルの振れを1μm以内に抑えることが重要となります。当社の保有する高精度マシニングセンタを駆使することで、微細孔や微細溝だけではなく様々な複雑形状の精密加工品を作ることができます。
当社のステンレスの細穴加工実績は、φ0.02mmの穴径で深さ0.2mmまで加工しました。
>製品事例:微細パイプ(外径φ1.0、穴径φ0.1)はこちら
③超硬の細穴加工
超硬は硬度が高く、鉄やステンレスよりも硬く、ダイヤモンドに次ぐ硬さを誇っています。また高温でも硬度が落ちにくいため、耐磨性が要求されるような金属加工用の切削工具等によく用いられています。超硬の細穴加工では材料硬度に関わらず、精度良く複雑な形状を加工出来る放電加工が採用されます。市販されている電極径はφ0.03mmからになりますが、当社では電極を成形することで対応しており、最小穴径φ0.03の加工を行うことができます。
当社の超硬の細穴加工実績は、φ0.04mmの穴径で深さ0.4mmまで加工しました。
>>最小電極径φ0.03によるピッチ精度±2μmの高精度 細穴放電加工はこちら