ワイヤーカット放電加工機には、目的に応じて、様々な材質のワイヤー線、および様々なワイヤー線径が使用されます。

 

一般的なワイヤーカット放電加工の場合は、黄銅製のワイヤー線が採用されます。また、ワイヤー線径はφ0.10・φ0.15、φ0.2、φ0.25、φ0.30以上ものがあり、線径が大きくなればなるほどワイヤーにかけられる電圧を上げることができるので、加工スピードを上げることが可能です。ただし、線径が大きくなるということは、細かい形状に加工するには限界が生じるのと、電圧を上げることで切断面の面粗さが悪化することもありますので、超硬加工.COMでは、例えばコーナーRが0.12mm以上の加工の場合はφ0.2のワイヤー線を使用しています。このようにワイヤーカット放電加工機のメーカーは、求められるスペックに応じたワイヤー線径を選択し、かつコストとのバランスを鑑みて選択しています(なおワイヤー線のメーカーによっても、もちろん価格が変わりますし、ワイヤー線の性能も違いがありますので、ここはその機械にあった最適なワイヤー線を選択することが重要になります)。

 

これに対して、超精密なワイヤーカット放電加工の場合には、タングステン製のワイヤー線が採用されます。黄銅に比較するとタングステンの場合は高い電圧をかけることが可能なので、ワイヤー線径はφ0.05、φ0.03などが流通しています。細いワイヤー線を使うと、より微細な加工を行うことが可能(当社の場合はコーナーR0.023)となりますが、先ほど述べたように、ワイヤー線が細くなるとかけられる電圧も小さくする必要があるため、加工スピードは下がります。ここが、超精密なワイヤーカット放電加工を行うとコストがどうしてもかさんでしまうポイントになります(ちなみに、ワイヤー線の価格はタングステンの方が圧倒的に高くて、φ0.03のタングステンワイヤーは3000m売りです・・・)。

 

ちなみに、最近では黄銅やタングステンの他にも、中央部が合金で回りをコーディングした特殊なワイヤーというのも存在しており、これも用途によって使い分けられています。単価的には黄銅とタングステンの間くらいになります。

 

超硬加工.COMを運営する㈱キンコーでは、ワイヤーカット放電加工機の特性を理解すると同時に、用途に応じてワイヤー線を使い分けることで、超精密なワイヤーカットでも、コスト重視なワイヤーカットでも、お客様のご要望に応じた加工を提供することが可能ですので、ワイヤーカット放電加工でお困りなら、お気軽にお問合せください。

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